南国のお友だち(ツバメ物語)その1

シスター

2012年08月31日 22:10

 8月もみそかを迎えました。それにしても残暑が厳しい感じです。

 一人のシスターが文を寄せてくれましたので、ご紹介します。
 

 毎年3月頃になると、湖に面した修道院の2階の聖堂の大きな

 ガラス越しに、黒いえんび服のツバメの群れの飛び交う姿が

 見られます。  
     
        
        

 まずは巣作りの場所捜しの作業から始めて、修道院のベランダは

 格好の候補地で、多い年には巣の数が10くらいにもなった年が

 ありました。巣から卵へ、そして可愛いひなたちへと、私たちの

 関心は広がっていきます。

        
        

 巣から身を乗り出して、顔中を口にして、親から餌をもらう元気な

 ひながあれば、その後ろで遠慮がちに待っている仲間もあります。

 日増しにすくすく育っていくひなたちですが、巣立ちが遅れて巣に

 残っているひなは、ずいぶん私たちの気をもませます。仲間たちが

 励ましにやってきては、そのあたりを飛び回るのですが、彼は下を

 のぞいていながら、降りる勇気がありません。

        

        

 ある年、成長したツバメたちの旅立ちの時が近くなっているのに

 まだ、巣の中にいるひなを、私たちはその回りを飛び交っている

 仲間たちと一緒に毎日励ましていました。だいぶ日数がたった頃

 ようやく彼は巣を離れ仲間たちのグループに入ることができました。

 私たちの肩は軽くなりました。


                


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