南国のお友だち(ツバメ物語)その1
8月もみそかを迎えました。それにしても残暑が厳しい感じです。
一人のシスターが文を寄せてくれましたので、ご紹介します。
毎年3月頃になると、湖に面した修道院の2階の聖堂の大きな
ガラス越しに、黒いえんび服のツバメの群れの飛び交う姿が
見られます。
まずは巣作りの場所捜しの作業から始めて、修道院のベランダは
格好の候補地で、多い年には巣の数が10くらいにもなった年が
ありました。巣から卵へ、そして可愛いひなたちへと、私たちの
関心は広がっていきます。
巣から身を乗り出して、顔中を口にして、親から餌をもらう元気な
ひながあれば、その後ろで遠慮がちに待っている仲間もあります。
日増しにすくすく育っていくひなたちですが、巣立ちが遅れて巣に
残っているひなは、ずいぶん私たちの気をもませます。仲間たちが
励ましにやってきては、そのあたりを飛び回るのですが、彼は下を
のぞいていながら、降りる勇気がありません。
ある年、成長したツバメたちの旅立ちの時が近くなっているのに
まだ、巣の中にいるひなを、私たちはその回りを飛び交っている
仲間たちと一緒に毎日励ましていました。だいぶ日数がたった頃
ようやく彼は巣を離れ仲間たちのグループに入ることができました。
私たちの肩は軽くなりました。
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